ロボットの話

今日はこんなホラー(?)を読みながら、ロボットについてぼんやり考えていた。

#100文字ドラマ 10本立て|樋口恭介|note

 

ロボットと人間の違いについてググってみると、ロボットには心がないとか、不気味の谷orリアルさが足りないとか、非合理性がないとか出てきたが、こんなん人間でも一緒だろーと思ったりする。

心がないとか、不気味でリアルさがないとか、俺じゃん。(でも非合理性しかないのは何故…)

 

小さい頃、ある日突然周りの人から「実は私たちみんなロボットなんだよ」or「あんた実はロボットなんだよ」って言われるドッキリを仕掛けられたらどうしようと考え、寝る前よく怖い思いをしたのを今でも覚えている。

 

さて、「ロボット」の異質さが強調されるのは、自分的にはむしろ、教育・習慣の問題と、主客問題が大切な気がしている。

 

自分はよくブス(失礼)専の人を見ると羨ましいなと思ってしまう。まさにチートというか、ブルーオーシャンとかいう横文字を聞く度に頭をよぎるのはブス(失礼)専である。そう、どっか海外に行ったらもしかしたら自分を理想のタイプとして扱ってくれる国があるかもしれないのだ(←言うだけならタダ)。

で、次に思うのは「子供の頃からブス(失礼)最高って教育されたらブス(失礼)専になれてたんじゃね?」ってことだ。

もっとも理想のタイプというものはなかなか難しいものだと思う。平均的な顔は美しいとされがちとか言うし、嫉妬やコンプレックスや無い物ねだり、社会的・経済的地位、会うタイミングや頻度、健康さ/不健康さ、等々。見た目の他に、自分との関係や社会的立場も大きく関わってくるので、どの要素がどこまで、という境界を見つけるのは難しい。

でも、例えば日本人のタイプとアメリカ人のタイプは明らかに違う気がするし、もし日本人がアメリカで育ったらかなりの確率でアメリカ人のタイプな人を好ましく思いそうな気がする。

とまた回りくどいことを言っているが、人間が感じる「人間らしさ」ってのも大体は似たような話だと思うのだ。

そう考えると、オタクの「二次元最高!」みたいな自己暗示(失礼)も、もしかしたら修行を積むことでいずれ本物になるのかも知れない。

前にも書いたことだけれど、人間が「考えている」って時には記号とか言葉とか道具を使っていて、それも自分の考えのような顔をしているけれど実際は何処かで聞いたことを受け売りしていることも多い。

部品そのものというよりは、その思考が積んできた歴史とか、ミックスの仕方とか、あるいはその過程で出てくるエラーとか、そういうのが独自性って言われるものであって、だから尊いんじゃないかなあ。それは人間でも「ロボット」でも一緒な気がする。

 

もう一つは自己の問題だ。

人間やっぱり自分中心に物事を考えがちで、自分の地元とか、自分の国とか、人間とか、自分に近い方から擁護しがちな傾向はやっぱりあると思う。自分なんかはだいぶひねて育っているので地元愛とか薄いし「アルゼンチン音楽最高!」とか言っているし、自分と違う・異質な人をかなり大事にするタイプの人間だとは思うが、それでもやっぱり自分中心に物事を考える、もしくはそうせざるを得ない局面はある。

そもそも、元々自分は自分と世界の「境界」(皮膚とか)に興味があって文章を書いたりしていたんだが、ものを見るときにこの視点は結構強力だと思っている。内側のことなのか、外側のことなのかという区別。

自分を捨てて世のために生きる、と言っても、生命維持のためには例えば食という形で他の生き物の命を犠牲にしなくてはならない。だから、必ずどこかで折り合いをつけないとやっていけないのだ。(そう考えると自分の顔をちぎって他人に与えるアンパンマンはなかなか衝撃的なアイディアだ。)

人生一事が万事こういった具合だから、やはり自分に近いカテゴリー、自分が属するコミュニティを優先するというのは、ある意味当然でもある。逆に言うと、だからこそ他人を尊重することが大事だとも言える。

ロボットの異質性というのも、人間とロボットというカテゴリーから出発しているから「ロボット」が他者に見える、「人間」と「ロボット」それぞれの独自性や違いを考える、というのはあると思う。

では、もしロボットという言葉がなくて「津軽人」「佐藤」という呼ばれ方だったら。

または、もしロボットが「人間とロボット」という垣根を割ってすぐそこに共存するなら。

知らない人と会って話してみたら仲良くなった、というレベルでカテゴリーの違いなんてすぐなくなるものかもしれないのだ。

権力者が自分の義手や自分のペットロボットを愛でながら遠くで面識のない第三者を殺戮しているなんてことは、現代でももう普通に起こり得ることだと思う。

 

ま、今の時点ではロボットはまだまだ人間らしくない、という気もする。もっと高度になったらという話ではある。

 

そう考えてふと思ったのが、ロボットって仕草とか話し方とか見た目とかは人間に似せようとしているけど、生殖活動って面ではめちゃ遅れているなってこと。

エロいロボットとか想像しにくいしなあ。マックとか食わないし。

 

あと、よく「自動化」(=人間ができないことをAIや機械がやる)って聞くけど、AIってそんな「自動」かなあとも思う。それこそ目的合理性はメチャあるかもしれないけど、見方によっては、というか人間の方がよっぽど自動で色んなことしてるような気がするけれど。さっき俺が食べた夕食が消化される自動っぷりはなかなかのものだ。ロボットはギャル曽根に負けてはいけない(?)。

 

とまた下らないことを書きながらKraftwerkとかDrexciyaとか聴いている自分はやっぱり典型的な人間なんだなあと思う。

今日は宇多田ヒカルのAutomaticでも聴いて寝るか。いややっぱりゆるふわギャングのDippin Shakeにしよう。

 

インタビュアー「Automaticさんはどういった方なんですか?」
Ryugo Ishida「仙人みたいな人で、ミステリアスなんですよ。」

 

おやすみなさい。(2019/11/20)