PassCode最高という話

先週末盛岡と仙台でPassCode(以下パスコ)のライヴをハシゴしてきた。

 

楽しすぎてまだ余韻が冷めないのだが、ボッチ参戦の上、三沢とか八戸とかにいるとパスコの会話を出来る人がいない(涙)。

よってここはひとつ、超主観的に自分流パスコの楽しみ方を書いてみたい。

興味のない友人にプレゼンする勢いで。

 

まあ、頭を真っ白にしてライヴ行け、で済む話ではあるのだけれど。

 

なお、ルックス的魅力に関しては腹筋が素晴らしい自分より先輩の皆様(ひなちゃん天使おじさんとか)が熱意を持って常々語っていらっしゃるようなのでバサッと割愛。

 

 

先に結論を言うと、自分はパスコの音楽をダンスミュージックとして聴いている。(ガチのダンスミュージックとはちょっと違うが)

そして、彼女たちの曲は一見派手なんだけど、実はスルメ的要素が強いと思っている。

   

 

パスコの曲を作っている平地さん(他には解散してしまったがNEVE SLIDE DOWN等プロデュースしていて、そちらも最高)、ほとんどのライヴでドラムを叩いているMy First StoryのKid'zさん。

ファンの間ではよく言われているが、自分にとってもこの2人の存在はとても大きい。

 

 

自分はパスコの曲を聴く時、基本的にドラムのスネア(及びバス)をまず追う。

 

そもそもKid'zさんのドラムは上手くて手数が多い。それがまず魅力なんだけれど、それだけではない。平地さんがアレンジしている、曲調、特にリズムの「変わり目」を追うのが楽しいのだ。

 

言葉だけでは伝わりにくいので早速一つ例を挙げてみよう。最新シングルのATLASという曲がある。

 

www.youtube.com

 

1回目のサビ前半。

 さんで さんで さんで んかい

と、下線部分がドラム的に強調している(スネア(=タンって音)が入っている)ところ。

「いちにっさんしっにいにっさんしっ」と8ビートで数えるなら奇数拍。

これがサビ後半では、

 めぐりあっ わらっ なやん みたっ

と、強調される部分が偶数拍に変わるのだ。

こういう切り替わりに乗るのがとても楽しい。

 

ちなみにこの曲ではサビが3回あって、2回目のサビも1回目のサビ同様なのだが、実は3回目のサビでは、強調されるのが前半は偶数拍、後半は奇数拍と、それまでの逆になっているという仕掛けもある。

こういうのに乗るのがとても楽しい。

 

 

こんな感じで、自分はパスコの曲を聴く時ドラムの強調される拍を中心に聴いているけれど、パターンとして、

・奇数拍強調

・偶数拍強調

・全拍(強調)

の3パターンをベースにしている。そしてこれがコロコロ切り替わるところが楽しい。

(もちろん実際は厳密に分けられる訳では無いのだけれど、あくまで聴く側としての楽しみ方の話です。)

 

もう一つ似た例として、in the Rainという曲がある。

この曲のサビでは、上記で言うと

奇数拍→全拍→偶数拍

という流れを辿る。

 

上記は例にしやすいので例にしたが、そもそも彼女たちの曲は数小節単位でガラッと曲調が変わるのが当たり前なので、こういう変化はほとんどの曲でサビ以外でも普通にある。

 

 

 

併せて言うと、上記のようなリズムや曲調の複雑さの割に、パスコの「歌」の譜割りというかメロディーのリズムはそこまで複雑ではない。(なお関係あるか分からないが、平地さんは久石譲が好きだったらしい。)

だいたい「奇数拍」に「乗って」いる。

また、サビなど目立つ部分のギターもリズムは「奇数拍」に「乗って」いることが多いと思う。

ライヴなんかだと、それに合わせて手を振って体を揺らすことになる。

だから、ドラムが偶数拍強調だと、そのズレもまた気持ちいい。

(これはパスコに限らないだろという気もするが、多分パスコはリズムに耳が行くのでそういう意識で聴いてしまうのかもしれない。)

例えばDIVE INTO THE LIGHTという曲のサビでは、ボーカルやギターは奇数拍、ドラムはどちらかというと偶数拍に乗っている。

 

 

www.youtube.com

 

 

また、切り替わりが楽しいということを書いたけれど、切り替わるときにはドラムの連打や3連符(が連続する場合も有)なんかが入ることも多い。ドラムブレイクって言うのかな。

偶数→小説終わりで3連符→次小節から奇数

みたいな。

曲調の切り替わりのところで変拍子的なパターンが来るのも楽しい。こういうのに乗っかるのが楽しい。

 

www.youtube.com

 

以上を踏まえると(踏まえなくてもいいんだが)、上記ATLASのカップリング曲GOLDEN FIREなんか、歴代曲の中でも最高級にリズムの変遷が面白い曲で、曲を覚えるまで聴き込むとメチャ楽しい。音源が上がってないので紹介できないのが残念。ちなみにこの曲はギターアレンジも凄く好き。

 

 

こういう話は、ラウドロックやメタルを聴いている人より、太鼓の達人とかビートマニアとかやってた人の方がもしかしたら伝わりやすいかも。

いずれにせよ、自分はライヴに行く度「Kid'zさんが一番楽しいだろうな」と思う。

一番要の部分を一番感じられてそうだから。 

 

 

さて、今のパスコの路線が確立したのはアルバムZenithからで、このアルバムは激しい曲が多かったので、その路線を支持するファンの間では「(上記の)ATLASはポップすぎてつまらない」という声も一部で聞かれた。

ただ、自分もそうだが、一聴するときまず意識が向くのはメロディーや表面的な激しさ・アレンジの目立つ部分で、上記のような部分の魅力に気がつくのは何度も聴いてある程度曲を覚えてからなんじゃないかと思うのだ。

だから、激しさが薄いという意見は分からなくはないけれど、つまらないという意見は半分は受け手側の問題のような気もしないでもない。ま、人の好みなんて人それぞれと言えばそれまでだが。

 

同様に、初めてパスコの曲を聴く人たちは、「アイドルなのに激しい(ギャップ)」とか、シャウトとかにまず意識が向く気がする。それらはファンの立場からすると一々面白い要素ではあるけれど、まだファンじゃない人からすると、トリッキーな表面的印象だけで終わってしまう可能性もある。ストレートな3コードの美メロって感じでもないし。

自分みたいにラウドロックの文脈がない人は特に。

だから個人的にはリズムや曲調(の変化)を覚えて感じる面白さを強調したいところ。

 

 

「パスコの曲はスルメ曲」と思う理由の1つに、以上のような「リズムとその変化を感じる」までに「一定の時間がかかる」というところがある。

自分自身、1回聴いて「?」ってなっても、何回も聴いて曲を覚えてからどハマりすることが良くある。

でも、複雑であるがゆえの楽しさはなかなか他では味わえないと思う。

 

 

こういうことを書くと、何か面倒臭そうって感じる人もいるかもしれない。でも、別にそんな深く考えてはいなくて、体を揺らすときの楽しみ方のあくまで一例にすぎない。いつも自分は単に踊っているだけなんだけれど、その時の意識の一部分を抽出して言葉にするとこんな感じになるってだけ。

だからライヴに行く前に完璧に曲調を暗記する必要もない。自分はむしろ覚えている途中が一番楽しいかもって気もする。

もし今パスコがちょっとでも気になっている人がいたら、曲を体に馴染ませるくらい聴き込んでみると魅力に気付くかもって話です。

こんな聴き方してる人もいるよっていうあくまで一例として読んでもらえればと。

 

 

自分は元々Never Sleep Againって曲が好きで、パスコを知ったのも多分その頃。でも、当時は実際ライヴに行くほどのめり込んでいるわけじゃなく、付かず離れずでたまに気にするぐらいだった。(余談だが、当時から盛岡のタワレコでライヴDVDとかCDとか発売日に買いに行ったら扱っていなかったことが何度もあった。だから盛岡のライヴは感慨深かった。)

ふとしたタイミングでオレンジって曲にハマったことがきっかけになって頻繁に聴くようになり、アルバムZenithに入っているシングル群で彼女たちに注目して本格的に追うようになった。だからファンとしてはそんなに歴が長いわけじゃない。(隙自語)

 

www.youtube.com


そんな自分が語るのもアレだが、縦ノリ要素の強いZenith、横ノリ要素が加わったClarity(最新アルバム)、その両者がバランスしたATLASが混ざった現ツアーのセットリストは今までで一番好き。

正直ATLASの3曲はどれもメチャクチャ好きなので、今から新曲が楽しみでしかない。 

 

 

パスコの魅力については、まだまだ色々付け加えたいことはある。

メンバー今田夢菜のシャウトが素晴らしいとか、

www.youtube.com

(↑この曲がただのポップスではなくPassCodeなのはかなりの部分シャウトに拠る)

ピコリーモ的要素(ピコピコした音色)と女性ヴォーカル+オートチューンも、重くなりがちな曲調に対して軽さや透明感を与えている…とか、

メンバー南菜生が昔バンドやっててメチャ音楽好きで若手邦楽バンドに対する愛が凄いとか、…

【毎週火曜日20:00〜21:00】LIKE SONG:南菜生(PassCode) | Backstage Café

でも書き始めるとキリがないので、このへんでやめとこう。

 

(11/20大事なことなので追記)自分はメンバーの高嶋さんを山岡士郎のようなメンタリティの持ち主だと思っている。

 

  

と思ったが最後にもう1つだけ。

自分はパスコのファン(「ハッカー」と呼ばれる)が割と好きだ。

いわゆる「アイドル」の「コール」ってものには賛否あるが、ライヴに参戦してて思うのは、ハッカーのそれはいい加減というかどこかプロレス的で、アイドル的なノリはある意味仮の姿、コールの言葉は結構適当だけど楽しもうとする姿勢だけ凄いところが好きなのだ。

 

(もしライヴに行ったことがなくて、これから行こうかなという人には、「パーティーピーポー」のタイミングだけだいたい覚えていくことをおススメ。とりあえず

・Never Sleep Againのシンセが鳴ってる間奏前の4拍

・ONE STEP BEYONDの間奏でオートチューンがケロケロするところ

・MISS UNLIMITEDのI wanna〜の前

あたり押さえとけば多分大丈夫。

他にも色々あるけれど、知らなくてもその場にいれば何となく分かるから迷ってたら行ってみよう!)

www.youtube.com

 

 

以上。自分はドラマーでもないし、こういうジャンルの音楽は全然門外漢なので、的外れなこととか言ってたらごめんなさい。

パスコに関わる全ての人にオマエラ最高だ感謝を。